毎年猛威を振るうインフルエンザに備えて予防接種を受ける人も多いと思います。予防接種を受ける際には様々な注意が必要です。インフルエンザワクチンには微量の卵の成分が含まれているので、卵アレルギーを持つ方や、特に初めて接種される生後6ヶ月以上のお子様は副反応など心配な点がたくさんあるかと思います。

そこで今回、卵アレルギーでもインフルエンザ予防接種は接種可能かどうか調べてみました。

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卵アレルギーの人は予防接種に注意が必要

インフルエンザワクチンには微量の卵の成分が含まれていますが、その量はごく僅かであるため、重度の卵アレルギーでなければ接種可能です。しかし、卵を完全に除去している人、卵を食べてアナフィラキシー反応が出たことがある人やアナフィラキシーショックを起こす恐れのある人は接種する際に十分な注意が必要です。

生後6ヶ月以上でインフルエンザの予防接種が初めてのお子様は、まずアレルギー検査をして卵アレルギーがあるかどうか数値を調べましょう。卵の数値が5以上だと皮内テストが必要になります。強いアレルギーをお持ちの方も皮内テストで問題なければ、通常通り接種することが出来るので、アレルギーだからといって最初から諦める必要はありません。

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皮内テストとは?

皮内(ひない)テストとは、ワクチンを10倍に希釈し、その0.02mlを注射し、腫れ具合をみてアレルギーの有無を調べ、接種するかどうか判断する検査です。

皮内用の注射を二箇所打ち、約20分後に接種部位がどの位腫れるかを調べます。腫れが8mm以下の場合は「陰性」でインフルエンザの予防接種を通常通り接種することが可能です。腫れが9~15mmの場合は「陽性」、16mm以上は「強陽性」となります。陽性の場合は、0.1mlを接種し、30分様子を見て何も反応が現れなければ残りを接種します。「強陽性」の場合はワクチンを接種することが出来ません

重度の卵アレルギーを持つ方でインフルエンザの予防接種の判断が難しいときは、まず医師に相談しましょう。皮内テストは行っている病院と行っていない病院があるので、事前に確認しておきましょう。

海外製ワクチンは慎重に!

卵アレルギーを持つ方の多くは卵白で強いアレルギー反応が出ます。日本で製造されたインフルエンザワクチンは、卵白はほぼ含まれていないので、副反応が現れるリスクは少ないと言われています。また、日本のインフルエンザワクチンの精度はかなり高度で安心安全に作られていますので、それほど深刻に悩むことはありません。しかし、インフルエンザウィルスは変異します。

新たなウィルスが出現した場合(新型インフルエンザ)やワクチンが不足した場合は、一部海外からワクチンを輸入することがあります。海外製のワクチンはデータが少ないので、接種は慎重に行う必要があります。ワクチンについて気になる点や心配な点は医師に相談しましょう。

接種後は副作用に注意!

インフルエンザのワクチン接種後は副反応が現れる恐れがあるため、20~30分病院に待機して様子をみましょう。小児科によっては再度診察をしたり、腫れ具合を確認したりすることもあります。アレルギー反応が見れれれば、湿布で冷やしたり、抗アレルギー剤を処方されたりすることもあります。

副反応の多くは接種後24時間以内に現れると言われています。帰宅後は安静に過ごし、万が一に備えて、いつでも医師と連絡が取れる状態にしておきましょう。下記のような症状が現れたらすぐに病院で診てもらいましょう。

・じんましん、呼吸困難などのアナフィラキシー反応
・意識を失うアナフィラキシーショック
・手足のしびれ
・けいれん
・めまい
・喘息発作
・運動障害…など

インフルエンザ以外の卵と関係のあるワクチンは?

インフルエンザ以外にも麻しん風しん混合ワクチン(MR)とおたふくかぜのワクチンにも微量の卵の成分が含まれているのをご存知ですか。私は娘が卵アレルギーがあるにも関わらず、何も知らずに、MRワクチンを接種しました。

結果的に何の問題もなく接種できましたが、やはり予防接種を受ける際にはワクチンの成分や製造元もある程度知っておかなければいけないなぁと反省しました。MRワクチンもおたふくかぜのワクチンもインフルエンザに比べると心配はなく、ほとんどの場合が通常通り接種出来ます

麻しん風しん混合ワクチン

1歳と年長さんで必ず接種しなければいけないMRワクチン。こちらにもごく微量の卵の成分「胚細胞」が含まれています。卵白や卵黄よりも鶏肉に近い成分なので、卵アレルギーを持つ人でも特に問題なく接種できます。念のため、重度の卵アレルギーを持つ方や鶏肉にアレルギー反応が出る方は接種前に医師に相談しておきましょう。

おたふくかぜワクチン

おたふくかぜのワクチンにはニワトリの胎児細胞が使われていますが、卵アレルギーを持つ人でも問題なく接種できます。皮内テストも必要ありません。

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まとめ

調べてみると、卵アレルギーでも多くの場合はワクチン接種が可能であることが分かりました。しかし稀にアナフィラキシー反応やアナフィラキシーショックが起こることもあるので、やはり注意が必要ですね。心配な場合は、皮内テストを検討されて下さいね。

予防接種はインフルエンザに限らず、正しい知識を持ち、アレルギーの度合いとワクチンの成分、製造元など全てを考慮した上で医師と相談しながら最終的に接種するかどうか判断することが大切です。

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