妊娠が分かり、出産時期を迎えるにつれ、赤ちゃんが産まれたら母乳で育てたいと、多くのお母さんがごく自然と考えることでしょう。育児書や周りの先輩ママたちからのアドバイスからも、母乳で育てることが第一だと感じているお母さんもたくさんいらっしゃるでしょう。今回は、思ったように母乳が出ていないと感じて悩んでいるお母さんへのアドバイスや対処法をご紹介します。

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母乳が出ないのは体質?

生後3ヶ月の赤ちゃんがいるママのお悩みです。子どもが産まれたら是非母乳で育てたいと思っていたのに、産後母乳がほとんど出ていません。出産時に助産師さんから習った母乳マッサージをしても、あまり効果がありません。体質的に母乳が出ない人がいるのでしょうか?今はほとんどミルクで育てていますが、母乳がでる効果的な方法はありませんか?というお悩みです。

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母乳が出る仕組み

母乳が作られる大まかな流れは、プロラクチンとオキシトシンという2つのホルモンが影響しあい、乳房に血液が流れこみ、母乳が作られ、乳頭へと押し出されることで母乳がでます。つまり母乳の主な成分は血液なので、血液を高める食事を心がけることが、母乳を作ることにつながります。このことから、水分摂取やバランスの取れた食事を摂ることが、妊婦さんや産後のお母さんに推奨されているんですね。

母乳育児にオススメの食事法

母乳で育てたいと考えているお母さんにオススメの食事法は、主食・主菜・副菜・乳製品などをバランスよく取り入れることです。白米や根菜類、脂肪分の少ないお肉やお魚、水分の多い料理、例えばお鍋だったり根菜の具入りのお味噌汁などがオススメです。このバランスのとれた食事で血液の質を高めましょう。脂肪や乳製品を多用しない和食の献立を中心に、高塩分・高脂肪に偏らないようにすることが、母乳育児中の理想的な食事だということですね。

白米は母乳に良いオススメ食品ですが、もち米は乳腺がつまりやすい人や、赤ちゃんがなかなか吸ってくれないときは、控えた方が良いでしょう。おばあちゃん世代の方は、「母乳を出すにはお餅やぼた餅を食べなさい」と言われますが、もち米はカロリーが高いので、お餅やおこわ、お赤飯などは、粘度の高い母乳を生成しやすくなります。乳腺炎予防のために控えたほうがよいでしょう。

母乳マッサージの効果は?

母乳マッサージとは、おっぱいの中にある小葉という部分で作られる母乳を乳管洞まで促すことで、乳首から母乳を出しやすくするためのマッサージです。乳管がうまく開通していないと、母乳が出にくかったり、食事による脂などによって詰まったりして、赤ちゃんがうまく吸えないだけでなく、乳腺炎になることもあります。

赤ちゃんが産まれ、ママになったからといって、すぐに母乳が出るわけではありません。体質や体調によって母乳が出にくい人もいますが、まずは乳管マッサージで乳管を開通し、母乳が出る道を確保しましょう。同時におっぱい全体を刺激するおっぱいマッサージも効果的です。優しく、適度な強さで母乳マッサージをするようにして下さいね。乳腺を傷つけたりダメージを与えてしまうと、炎症となり乳腺炎になってしまうこともあり、赤ちゃんに母乳を与えることさえ出来なくなる場合もあります。

母乳マッサージは、毎日セルフケアできる有効な方法ですが、自分で行うのは結構むずかしいものです。育児雑誌や産婦人科でいただいたアドバイス本などで一生懸命セルフケアしていても、なかなか思うように効果があがらない場合もありますよね。「こんなに頑張ってるのに、どうして?」って悩まずに、産婦人科の助産師さんにマッサージをしてもらうと良いですよ。

どうして母乳育児が奨励されてるの?

母乳による育児が奨励されているのには、母乳、主に初乳に含まれる感染防御因子のような成分が非常に重要視されていること挙げられます。この初乳に含まれる主な成分は、タンパク質・ビタミンA、D、E・IgA抗体・コレステロール・ラクトフェリンなどです。赤ちゃんを風邪やアレルギーの発症から守ってくれたり、免疫力を高めてくれたりと、たしかに赤ちゃんにとって大事なモノがたくさんつまっているのですね。

実は、他にも母乳推進の背景があるようです。1970年頃の人工栄養ミルクの栄養価が急速に進歩したことによって、母乳で育てる努力をせずに、安易にミルクに切り替える風潮から、母乳栄養率が低下したという経緯がありました。そこで、母乳推進運動が繰り広げられるようになったそうです。

それでも母乳不足が改善されないときは?

母乳が分泌される量には、かなり個人差がありますので、どんなに努力しても母乳が足りない、と感じるお母さんはもちろんいらっしゃいます。母乳の分泌の量は自分の思い通りにはなりませんよね。水分摂取や食事のバランスを心がけることは大事ですが、何もしなくても母乳が出すぎて困っているお母さんもいれば、いろんな方法を試みて努力していても、思うように母乳が足りていないと感じるお母さんもいるのです。

そんなとき気を付けてほしいのは、「絶対母乳で育てないといけない」と思い込んでしまうことです。あまりに強く母乳を与えなければと思い込んでしまうと、精神的に追い込まれてしまうことがあります。これでは、お母さんにとっても、赤ちゃんにとっても、よいことではありません。初乳に含まれている重要な免疫物質は、産後1週間のうちで少しでも母乳を与えることができていれば、十分に赤ちゃんに届いています。お母さんの思いや愛情は十分赤ちゃんに伝わっているのです。

母乳不足を感じて不安な気持ちが増していくよりは、いろいろな方法を試しても母乳が足りていないときはミルクを足しても構わないと、お母さんがわりきって考えて、明るい前向きな気持ちで赤ちゃんと過ごせるほうがとっても健康的ですよ。哺乳瓶に慣れておくことは、これから始まる離乳食や病気の時のお薬・水分を摂るのに、よりスムーズに対応できるというメリットもあるのです。

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まとめ

妊娠中から産後にかけて、お母さんは母乳マッサージや食事など、さまざまなことに気を配りながら、赤ちゃんに母乳をあげたい、絶対に母乳育児をする、などと思いを募らせていきます。母乳での育児に絶対的な信頼があるからでしょう。たしかに、母乳での育児は赤ちゃんの生育にとっても、お母さんの産後の体調回復にとっても、とても効果的で大切なことです。けれど、母乳が思ったように出ていないのではと不安に感じて、思い悩む必要はないのですよ。努力しても体質的に母乳の分泌が少ない人もいるのですから、あまり気にし過ぎず、ミルクを足してあげて良いと思います。なにより、お母さんが精神的にも健康で明るく赤ちゃんと接することが大切ですよ。

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