自由研究のレポートをまとめる時に必ず立ち止まるのが「考察」の部分ですよね。考察って何?何を書けばいいの?と悩んだ挙句、結果と感想と反省を書いたレポートになってしまうことが多いと思います。考察は、感想や反省ではなく、「結果からわかった自分の考えを述べる」ということです。しかし、論理的な思考力が必要ですので、慣れていないとちょっと難しいですよね。今回、自由研究のレポートをまとめる際に役立つ、考察の書き方とコツをご紹介します。考察はレポートの最も大事な部分になりますので、キチンと書けていれば、きっと高評価に繋がりますよ。

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考察とは?

考察の意味は、見たり調べたりした結果から、物事を明らかにするために深く考え、何がわかったのかを考えて述べることです。つまり、何故そんな結果になったのか?理由は何が考えられるか?結果から何がわかるのか?を書くことになります。結果から導きだした自分なりの理論なのです。その理論が正しいかどうかではありません。また、考察は、「面白かった」や「きれいだった」などの感想文や、「もっと細かく取り組むべきでした」などの反省文、「次回は~したい」などの決意文などを書くところではありません。

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考察の考え方のコツ

考察は予想(仮説)と一緒に考えておく

自由研究のテーマが決まったら、まずは結果を予想して考察をどうするか考えておきましょう。実験や観察・工作を行う前にまとめる方向性を考えておくのです。実験は必ずしも思い通りの結果にならないことが多いものです。結果が予想どおりであれば、自分の予想と同じ結果が導きだせた理由を考えれば良いですし、予想と反した結果になった場合は、なぜその結果になったのか原因と理由を考えれば良いのです。もしも失敗してしまったとしても、何故予想どおりの結果にならなかったのか?原因は何が考えられるかについてを考えてみましょう。予想と異なる結果(失敗も含まれる)の方が考察は考えやすいかもしれません。

調べようと思った理由を明白にしよう

自由研究のテーマを決める上で、「疑問=何故なんだろう?」が無ければ研究は進みませんよね。調べたいと思った理由(動機)は自由研究を行う上で重要なポイントであり、それが無ければ考察を書くことは難しいでしょう。何故?と思うことや、調べてみたいと思う動機や理由を意識して持ち続けることで、実験や観察の途中で疑問が生じたり、気づくことがあるかもしれません。

原理・操作方法、過去の研究レポートを参考にする

実験や観察を行う上で原理や操作法、理論、過去の研究レポートなどを参考書や、書籍、インターネットで調べておきましょう。レポートに書く際に原理・操作方法を参考にして書くと説得力が増しますので高評価に繋がります。過去の研究レポートの結果・考察部分は、考察の書き方、まとめ方が書かれている為、とても参考になりますよ。いくつか目を通しておくと良いかもしれません。

参考になる自由研究テーマ・実験方法・まとめ方が見つかるかも知れません!

考察の書き方の例

考察は、他の人が読んで理解しやすい文章で書くようにしましょう。例えば、「実験の結果は◯◯◯だった。予想したものとほぼ一致していたので、□□□であることが考えられる。その理由は~である為です」など、「実験の結果は予想と反して●●●だった。その理由は2つあり、△△△と□□□が考えられる」などです。

書き方の例をあげてみましょう。

自由研究テーマ:「バナナで調べる紫外線の実験」

目的:日焼けは太陽中の紫外線が関係しているようだ。植物のバナナも紫外線の影響を受けて日焼けするのかどうかバナナを使って調べ、実験してみよう

実験1:日光がバナナの皮の色を変化させるかどうかを調べた(紫外線チェッカーを用いて、紫外線の強度を比べることも行う)

結果:蛍光灯に当てたバナナは色の変化が無く、日光に当てたバナナは茶色く変化した。また、アルミ箔を巻いた部分は茶色くならなかった。

実験2:日光に当てる時間(1時間~4時間)を変えてバナナの皮の変化を調べた

結果:日光にあてる時間が長いバナナほど茶色くなった。アルミ箔を巻いた部分はほとんど変わらなかった。

実験3:紫外線を遮るにはどんな材料が有効か調べた

結果:アルミ箔をまいた部分は茶色くならなかった。白い紙と黒い紙でも茶色くならず、無色のセロハンを巻いたところだけが他の巻かなかったところと同様に茶色になった。

考察:直射日光に3時間以上当てた部分のバナナは茶色くなり、紫外線チェックカードが濃く反応したことから、バナナの色の変化には紫外線が影響している可能性がある。透明のセロハンを巻いた場合は茶色く変化したが、紫外線防止クリームを塗った透明のセロハンをまいたバナナは茶色くならなかった。このことから、紫外線のはたらきがバナナの色を変化させるということがわかる。曇りの日に実験を行った時は、なかなかバナナが茶色くならず、時間がかかってしまった。バナナを茶色くさせるには強い紫外線が必要なようである。

自由研究テーマ「10円玉をピカピカにしよう実験」

目的:茶色く光沢のない10円玉を綺麗にする方法があるのか?また、使った液体が何故ピカピカにすることができるのか理由について探る

実験1:10円玉の黒ずみの原因は汚れによるものか調べる

実験2:台所にある液体でピカピカになるかどうか時間を測り、実験する

結果:洗剤やクレンザーで汚れはある程度落ちて綺麗にはなったが、ピカピカにはならなかった。黒ずみは汚れだけが原因ではない。梅干しの汁、レモン汁、タバスコ、みりん、醤油などで試した結果、特に梅干しの汁が一番黒ずみがとれてきれいになった。

考察:10円玉の黒ずみは汚れ以外のものがあり、銅が酸化した結果、酸化銅になり、それが黒ずみの正体であることがわかった。梅干しの汁には塩と酸が含まれていて、レモン汁のような酸のみの成分のものより黒ずみが綺麗になることから、塩+酸の成分の液体が酸化された状態をより強力に除去できることがわかった。

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まとめ

自由研究の考察の書き方とコツについて紹介しましたが、参考になりましたか?自分の考えを導きだすこと(=考察)は、思考の訓練みたいなものです。自由研究のテーマを決めたら、予想をたてて、原理や方法を調べつつ、実験前から結果と考察を考えるようにしてみましょう。そして、実験や観察をしながら気づくことがあったり、疑問を生じることがあったら、必ず記録をしましょう。きっと考察のヒントが隠れていますよ。過去の受賞作品や、研究レポートを検索してみると、小学生が作った分かりやすいものから高校生、研究者の文献までがたくさん紹介されていますので参考になりますよ。

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