妊娠中や産後に手足のしびれや痛み、脱力感を感じることがあります。赤ちゃんを1日中抱っこしているような状態の日々が続き、また、授乳する際の時間も月齢が低い赤ちゃんだと時間がかるため、長時間頭を支えているので、腕がしびれたり、だるかったりします。慣れない育児生活で、今まで使わなかった腕の筋肉を酷使することで、腕を傷めたのかと思い、腱鞘炎かな?と考え湿布を貼ったりしてしのいでいるママも多いのではないでしょうか。けれど、産後のこのような症状の原因としてまず考えられるのが「手根管症候群」とよばれる異常です。では、産後の手や腕のしびれの原因と対処法について調べてみましょう。

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産後、手や腕のしびれが続いているのはなぜ?

出産して、退院後1週間くらいして、左の手先にしびれを感じていました。赤ちゃんを抱っこして授乳していたので、それでしびれたのかと思っていましたが、時間がたった今でも軽いしびれがあります。たまに左手全体が、血がたまったような感じで重苦しくなります。日常生活に大きな支障はないのですが、このままほおっておいてよいのか心配になりました。

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産後の手や腕のしびれの原因は?

妊娠中や出産後に考えられる手足のしびれや脱力感の原因としては「手根管症候群」が考えられます。手首の所にある骨と靭帯に囲まれた直径3センチくらいの手根管というトンネルがあり、この中には、手指を支配している正中神経の束があります。何らかの原因により、この神経が圧迫を受けることで、手のしびれや痛みを生じる事があります。これを、手根管症候群と言います。

神経の圧迫を受ける原因として、妊娠中は、急激な体重増加やホルモンの影響でむくみやすくなっている為に、手のしびれや痛みを感じやすいと思われます。また、ホルモンの影響により筋肉は疲労しやすくなっています。さらに姿勢の変化によって筋肉への負担が増えることで腕の痛みやしびれを起こしやすくなっているのです。

妊娠後期では、赤ちゃんに沢山の栄養を与えなければならないので、血管が拡張し、血液中の水分量が多くなりむくみやすくなります。血行不良、例えば運動不足、ストレス、冷え、体型の変化による衣服の締め付けなど、様々な原因により身体の中の水分が一定の場所でせきとめられたり、血液がうまく循環せず滞ってしまうと、血液から体液が漏れて、皮下組織に水分が溜まりむくみが生じます。

産後には授乳や抱っこの際に手根管への神経の圧迫が続くことで、腕や手首に痛みや疲労が残り、この症状が発生することがあります。手首や腕に負担のない方法で抱っこするようにしましょう。

妊娠中・産後の手足のむくみは?

妊娠中むくみが出て周囲の組織に腫脹が起こると、正中神経が支配している親指・人差し指・中指の指先に、ピリピリ感やしびれ感がおこり、手先だけでなく前腕や股関節周囲にしびれや痛みを感じることがあります。とくに、夜間に症状がひどくなる傾向があります。

むくみは妊娠高血圧症候群にみられる症状のひとつですが、妊娠中に高血圧や尿タンパクを指摘されていた場合は、産後(産褥期)に悪化することもあり、注意が必要です。授乳期にはプロラクチンというホルモンが大量に分泌され、このホルモンは体内に水分を溜める傾向があるので、むくみが出ることがあります。治療法としては消炎鎮痛剤、例えば湿布や塗り薬や、ピタミン剤の内服、温熱療法などがありますが、授乳中のホルモンの影響による場合は、授乳を終えれば良くなることが多いです。

手足のしびれ・むくみ手根管症候群の対処法は?

妊娠中の場合は、体重増加やむくみが主な原因と考えられますので、体重の管理と塩分を控えることが大切です。また、しびれのある部位に負担がかからないよう安静にすることが第一ですが、サポーターなどを使い、なるべく負担を減らしましょう。お風呂で温まった時にマッサージをしたり、お湯で温めるのも良いと思います。

手首より少し離れた所に痛みの原因がある事もあります。肘や腕、肩などの筋肉の緊張を緩め、血液の循環を良くすることで改善される場合もあります。マタニティ整体などで、痛みが出ている原因となっている筋肉にアプローチすることで、症状の緩和、予防を促します。

妊娠中は鎮痛剤やシップは安易に使用せず、病院で処方してもらいましょう。また、母乳育児をしている方が鎮痛剤を使用する際は、赤ちゃんに影響のないお薬を病院で処方してもらいましょう。お薬を使わずに、専門の整体院に相談したり、ご家族の協力を得ながらセルフケアをすることで、痛みや痺れが起こらないよう予防することが大切です。

腱鞘炎と手根管症候群とのちがいは?

しびれの原因は他にもあります。腱鞘炎は、腕に過度の負担がかかったとき、スポーツしたりパソコンを一日中操作したりすると症状があらわれます。赤ちゃんを抱っこする行為も、6~7kgの重さもあり、動き合わせて危険のないように支える行為は、腕に相当の負担がかかってきます。腱鞘炎の症状があらわれることもあります。

腱鞘炎と手根管症候群の違いとしては、腱鞘炎は手首の親指側に痛みが生じます。親指を握った状態で手首を小指側に動かすことで痛みが生じます。手根管症候群は、親指から薬指の半分に症状が出るのが特徴です。痛みやしびれ、さらに進行するとお箸やコップが持てなかったり、物が掴みにくくなることもあり、夜間から明け方に痛みを感じることが多いのも特徴です。

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まとめ

妊娠中や授乳中は、どうしても手足のしびれやむくみを感じることが多いです。神経が圧迫されたり、ホルモンのバランスが崩れたりすることで起こると考えられます。育児をしながらセルフケアをするのは大変ですが、入浴中などのリラックスした時にマッサージすることなどで症状を和らげましょう。

また、赤ちゃんの抱っこの仕方は、どうしても利き腕を酷使してしまいがちですし、お母さんも赤ちゃんも癖になってしまいますので、手首や腕に負担のない方法で赤ちゃんを抱っこ出来るようにしましょう。早めに改善し痛みが出る前に予防するようにしましょう。

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