毎年12月~3月になると流行するインフルエンザ。インフルエンザにはA型とB型とC型がありますが、特に流行しやすいのはA型とB型です。感染力が非常に強く、日本では毎年10人に1人が感染しています。インフルエンザにかかってしまった場合、せきやのどの痛み、鼻水などの症状が風邪の初期症状と似ていますが、38℃以上の発熱や、全身の倦怠感と関節の痛みなどの症状が急に現れることが特徴です。

今回、特に感染力の強いインフルエンザA型の潜伏期間、完治までの期間、治療薬について調べてみました。

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インフルエンザA型の潜伏期間

インフルエンザの潜伏期間は、個人差や免疫力によっても差がありますが、およそ1〜3日です。風邪の潜伏期間が約5日間ですので、感染して発症するまでの期間が非常に短いということです。体内に入ってきたウイルスは、気道や肺にくっつき、約20分で細胞内に侵入します。侵入した1つのウイルスが約8時間後には100個、24時間後には100万個にまで爆発的に増えていきます。

インフルエンザは、潜伏期間中であっても感染力があり、他人にうつしてしまう可能性があります。逆に、身近な人がインフルエンザに感染してしまった場合、潜伏期間中に接触していれば、自分もインフルエンザに感染しているかもしれません。

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インフルエンザA型にかからない場合や、かかっても症状が出ない人もいる

特にマスクもしないし、ワクチンも接種していないのにインフルエンザにかからない人もいます。私自身も40数年、一度もインフルエンザにかかったことがありません。ワクチン接種を受けたこともありません。38℃以上の発熱がでると、その度に病院でインフルエンザの検査をしてもらうのですが、いつも陰性。検査をする時期が早すぎた可能性もありますが、高熱もほとんど1日で下がるので、おそらく風邪だったのでしょうか。

我が子はワクチン接種した年はかからないのですが、これまで数回インフルエンザA型にかかっています。特に隔離したりしていないのに、何故か自分にはうつらない・・。運が良かったのか、症状が軽かっただけなのでしょうか。

調べてみると、以下の理由があるようでした。

免疫力(抗体)を持っていたら発症しないか発症しても軽く済む

仮に、インフルエンザウイルスが体内に入ってしまうと、免疫反応により細胞から抗体が作られます。体内に入ったウイルスの量が少なかったり、免疫反応の方が強力だった場合は発症せずに済む場合や、発症したとしても症状が軽くなることがあるそうです。

また、過去に同じ型のインフルエンザに感染していた場合、そのウイルス型に合った抗体が体内で作られています。細胞は記憶していて、再度同じ型のウイルスが体内に入ってくると、抗体が速やかに大量に作られることで発病を防ぐことができます。

感染しても症状のでない不顕性感染がある

インフルエンザに感染しているのに特に症状が現れない状態のことを不顕性感染(ふけんせいかんせん)といいます。不顕性感染というのは実は珍しいことではなく、病原体によっては不顕性感染の方が普通に起こっていて、発症することの方が少ないものもあります。日本脳炎などでは感染者の発症率は0.1~1%と非常に低く、それ以外は不顕性感染だそうです。

一方、不顕性感染者は感染した自覚が無いため、発症者よりは少ないのですがウイルスを排出しているため、インフルエンザを人にうつしてしまう可能性もあります。

インフルエンザA型が完治するまでの期間

インフルエンザA型にかかり、完治するまでの期間はおおよそ1週間から10日間になります。

文部科学省が定める学校保健安全法によると、インフルエンザにかかった場合の出席停止期間は、発症した後5日間かつ解熱した後2日間となっています。学校保険安全法に定められている学校とは、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、大学などになります。専門学校の場合は、定められていないため、学校独自の規定が定められていることがあるので、学校に確認すると良いでしょう。

幼稚園、保育園の場合、発症した後5日を経過しかつ解熱後3日間が過ぎるまで休まないといけません。

【例1 12月1日に発熱し、12月3日に解熱した場合】

発症日 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目
発熱 発熱 解熱 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目
12/1 12/2 12/3 12/4 12/5 12/6 12/7 12/8

発症した日は0日目と数えますので、6日目である12月7日が幼稚園や学校に行ける日となります。

幼児の場合、発症してから発熱が4日間続いた場合は翌日の12月8日から登園できるようになります。

解熱したからといって、お子様をすぐに学校に行かせてしまうと他の人にうつしてしまう可能性がありますので、5日間は休ませましょうね。

インフルエンザA型の治療薬

インフルエンザA型治療薬は抗インフルエンザ薬といわれ様々な種類があり、タミフル内服薬リレンザ吸入薬イナビル吸入薬、重症の方にはラピアクタ点滴薬などが処方されます。A型インフルエンザにのみ有効な抗インフルエンザ薬にシンメトレルというお薬があるのですが、薬剤耐性ウイルスが現れる可能性があり、あまり使用されていないそうです。

もっとも有名なタミフル内服薬ですが、A型・B型両方のインフルエンザウイルスの増殖を抑える薬です。症状が出始めたら48時間以内に服用するのが非常に効果的です48時間以内に服用することで、発熱期間が1~2日間短縮され、鼻やのどからのウイルス排出量が低下します。逆にいえば、発症して48時間を過ぎて服用しても効果はほとんどないそうです。

赤ちゃんから大人まで幅広く使用されているタミフルですが、生後2週目の赤ちゃんから使用できます。我が子も生後3ヶ月の頃にインフルエンザにかかり、タミフルをミルクに混ぜて飲ませたことがあります。しかし、現時点で10代以上20歳未満の方には処方されていません。タミフル服用後にビルから飛び降りるなどの異常行動などの事例が報告されている為です。ただ、タミフル服用の有無にかかわらず、インフルエンザ患者には一定の割合で異常行動の事例が報告されています。

厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の調査・報告によると下記のように判断されています。

・タミフル服用と異常行動に因果関係があるとはいえない

・異常行動の原因は、インフルエンザによるものである

調査は引き続き継続されていますが、予防的処置のため今後も下記のような対策がとられます。

・10代以上20歳未満の方にはタミフルを処方しない

・治療開始後2日間は患者を1人にしないよう保護者が配慮する

10代以上20歳未満の方には、イナビルという抗インフルエンザ薬が処方されることが多いようです。イナビルはリレンザと同じ吸入薬になります。最大の特徴は1回吸入するだけで治療が完了する点です。我が子も最近インフルエンザA型を発症した歳には10歳だったため、イナビルを処方してもらったことがあります。薬剤師さんに指導してもらいながら薬局で吸入させてもらいましたが、上手に吸入できるようになるまで何度かやり直したりして、コツをつかむまで少し時間がかかりました。

多くの子供が吸入薬に慣れていない為か、病院か薬局で医師か薬剤師さん指導のもとで吸入させているケースが多いようです。

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まとめ

寒くなってくるとかかりやすくなるインフルエンザ。インフルエンザにかかってしまったかも・・?と思ったら、なるべく早く病院に行きましょう。治療薬タミフルは発症後2日以内に服用するのが効果的です。異常行動の可能性もあるため、タミフルで無くても治療が開始されたら、2日間程度は患者(特に小児や未成年者)を1人にしないように注意しましょう。

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