インフルエンザの予防接種はインフルエンザの重症化を避ける効果が期待できます。特に高齢者はインフルエンザが引き起こす合併症などからの死亡率が高くなっています。厚生労働省の発表では、インフルエンザ予防接種を受けることで、高齢者の死亡の危険性が5分の1に、入院の危険性が3分の1~2分の1に減少するとしています。

今回は高齢者のインフルエンザ予防接種の料金や、回数、副作用について調べてみました。

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インフルエンザワクチン接種の効果を教えて!

インフルエンザはインフルエンザウイルスが口や鼻から体の中に入ってくることで感染します。予防接種はこの「感染」を完全に抑える働きはありません。

よく「インフルエンザの予防接種を受けたのに、インフルエンザに感染したことがあるけど、予防接種に効果はあるのかな」と半信半疑になっている方の声を聞きますが、インフルエンザに感染するとウイルスが増え、数日の潜伏期間を経て、発熱やのどの痛み等のインフルエンザの症状が起こります。この状態を「発症」といいますが、ワクチンにはこの「発症」を抑える効果が一定程度認められています。

発症後、多くの方は1週間程で回復しますが、中には肺炎や脳症等の合併症をおこし、入院治療を必要とする方や亡くなられる方もいます。特に基礎疾患のある方や高齢の方は重症化する可能性が高いと考えられています。

予防接種ワクチンの最も大きな効果は、この重症化を予防する効果です。インフルエンザワクチンは、接種すれば絶対にかからない、というものではありません。しかし、ある程度の発病を阻止する効果があり、もし罹ってしまっても症状が重くなることを阻止する効果があります。
ただしこの効果も100%ではありません。

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高齢者のインフルエンザの予防接種の回数は?

大人はワクチン接種1回

インフルエンザワクチンの接種量及び接種回数は次のとおりです。インフルエンザの予防接種を受けられるのは、生後6か月からとなっています。13歳以上は過去に類似のインフルエンザウイルスに罹った経験が多いとされ、既に免疫を持っているため1回の接種でワクチンの効果があるとされています。

しかし13歳未満、特に乳幼児は免疫を持っていることが少なく、ワクチンの効果を長続きさせるためにも2回の接種が推奨されています。しかし13歳以上の基礎疾患(慢性疾患)の方で著しく免疫が抑制されている状態と考えられる方は、医師の判断で2回接種となる場合もあります。

インフルエンザワクチン接種量及び接種回数
6ヶ月以上3歳未満 1回0.25ml 2回接種
3歳以上13歳未満 1回0.5ml 2回接種
13歳以上 1回0.5ml 1回接種

高齢者もワクチン接種は1回?

高齢者のインフルエンザ予防接種の助成金や無料接種は1回接種が対象となっています。しかし日本疫学会は、高齢者でインフルエンザワクチンを1回しか接種していないと、シーズン内に抗体価の低下が目立つという調査結果を発表しています。

つまりせっかく予防接種を受けても、インフルエンザが流行している最中にワクチンの効果が低下してしまい予防効果が低くなってしまう。ということになります。持病などで元からの免疫力低下を認識している高齢者は、予防接種を2回受けるということも選択のひとつです。

ただし2回目以降の予防接種は通常の費用が掛かります。

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高齢者のインフルエンザ予防接種の料金は?

インフルエンザワクチンの接種は病気に対する治療ではないため、健康保険が適用されません。原則的に全額自己負担となり、費用は医療機関によって違います。しかし、高齢者は定期接種の対象になるので、自治体によって接種費用が助成されたり、無料で接種できる場合もあります。

具体的な金額は自治体によって違いますが、一般の方の場合は3000円~4000円かかるところを、高齢者の場合は1500円~2500円程度になる場合が多いようです。詳細はお住いの市区町村、医療機関、かかりつけ医に問い合わせて下さい。

定期接種の対象者はどんな人?

インフルエンザワクチンの接種は、一般に重症化の予防効果があります。高齢者などインフルエンザに罹ると重症化しやすく、特に接種による効果が大きいと考えられる方が定期の予防接種の対象となります。

定期予防接種の対象者
・65歳以上の方
・60~64歳で心臓、じん臓若しくは呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活を極度に制限される方(概ね、身体障害者障害程度級1級に相当します)
・60~64歳でヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方(概ね、身体障害者障害程度級1級に相当します)

※定期接種とは・・予防接種には、法律に基づいて市区町村が主体となって実施する「定期接種」と希望者が各自で受ける「任意接種」があります。定期接種は公費ですが(一部で自己負担あり)、任意接種は自己負担なります。

高齢者のインフルエンザ予防接種の副作用は大丈夫?

免疫をつけるためにワクチンを接種したとき、免疫がつく以外の反応を副反応といいます。インフルエンザ予防接種の副作用に関して、高齢者において特別に頻度が高くなったり、重症化しやすくなることは少ないと考えられます。

【インフルエンザ予防接種で比較的多くみられる副反応】

・接種部位周辺の腫れ・赤み・痛み等

接種を受けた方の10%~20%に起こるとされていますが、ほとんどの場合2~3日で治まります。

【全身性の副反応】

・発熱・頭痛・寒気(悪寒)・だるさ(倦怠感)等

接種を受けた方の5~10%に起こる反応ですが、通常2~3日で治まります。

【ショック、アナフィラキシー様症状(発疹・じんましん・赤み・かゆみ・呼吸困難など)】

ショック、アナフィラキシー様症状はまれに起こる反応です。ワクチンに対するアレルギー反応で接種後、比較的すぐに起こることが多いので、接種後30分間は接種した医療機関内で安静にしましょう。※ショック、アナフィラキシー様症状は卵アレルギーの人に多くみられる反応です。卵アレルギーがある人は医師に相談してからの接種をおすすめします。

【重い副反応】

まれではありますが、ギラン・バレー症候群、急性脳症、急性散在性脳脊髄炎、けいれん、肝機能障害、喘息発作、血小板減少性紫斑病などが報告されていますが、ワクチン接種が原因で起こった反応かどうかは必ずしも明らかではありません。

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まとめ

インフルエンザの予防対策として、特に高齢者には予防接種が推奨されています。その理由は、インフルエンザによって引き起こされた合併症による高齢者の死亡率がとても高いからです。高齢者の中でも、特に84歳以上の方は、死亡率が高くなっていて、続いて74歳以上の方、その次に乳幼児・小児の4歳以下という順番になっています。

厚生労働省の発表では、インフルエンザの予防接種を受けることで、高齢者の死亡の危険性、入院の危険性が減少すると発表しています。65歳以上の方はインフルエンザ予防接種を受けることをおすすめします。

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