出産をしてから、関節痛に悩まされていませんか?これまで関節痛などなかった人でも、妊娠中や産後に関節痛に悩まされることがよくあります。関節痛が起きる場所は、指、膝、足首、腰など、さまざまな場所に及びます。手がしびれる、肩や腰が痛む、膝や足首の痛みがとれないという症状を訴えるママが多いようです。日常生活に不自由を感じている人も少なくありません。なぜ、妊娠中や産後は関節痛になりやすいのでしょうか。では、産後の関節痛になりやすい原因と対処法について調べてみましょう。

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産後の関節痛が治らないのは大丈夫?

産後間もない 頃から体のあちこちが痛み、症状が治まらないので悩んでいました。膝をはじめ、足首や腰、肩などが痛くて困っていました。お風呂でマッサージをしたり、夫にマッサージをしてもらったりしていましたが痛みが引くことありません。腰と肩は子どもを抱っこしているからだと思いますが、膝や足首はなぜ痛みだしたのか分かりません。放っておいても大丈夫なのか、産後の何か影響があるのか分かりませんでしたので、産婦人科で診てもらいました。

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産後の関節痛の症状は?

妊娠初期のころから子宮が大きくなり始め、体重が増えるなど、母体の変化に伴って、さまざまな症状が出てきます。つわりや腰痛などのほか、関節痛多く見られます。関節痛の症状の重さには個人差がありますが、だいたいが出産後に自然と治まります。産後しばらくは、手指、ひじ、膝、肩、腰、足首まで、全身に渡り関節痛が起こることがよくありますが、とくに起こりやすい関節痛は、膝の関節痛と股関節痛です。

関節痛が起きやすいのは、朝起きたときです。関節痛は、一日中続くのではなく、動き出すときに痛みやこわばりがひどく、いったん動かしてしまえば、痛みが治まったり、動きがスムーズになる、というのが特徴です。関節痛がひどいあまり指が硬直して動かせない、ものを握ることができない、赤ちゃんを抱っこできないという事態も起こります。症状がひどい人は、自分の着替えすらできない、歩くこともできず、寝たきりになる場合もあり、関節痛が産後の生活に支障をきたすこともあるのです。

産後の関節痛の原因は?

◉関節への負担

赤ちゃんのお世話や抱っこなどで、体への負担が急に増えるようになります。また、妊娠中から増えたママ自身の体重も、膝や足首へ、大きな負担となっている可能性もあります。妊娠中の体重増加は8kg前後が理想ですが、それでもからだの関節にとってはかなりの負担となります。もし10kg以上太ってしまうと、さらに大きな負担がかかり、産後その体重が元に戻らないまま過ごしてると、知らず知らずに足腰に影響が出てきます。

産後、赤ちゃんを抱っこするようになってから、腱鞘炎になるママも少なくないのです。日に日に重くなる赤ちゃんを抱いていると、それらを支える脚の関節にも負担がかかります。それに加え、妊娠中にはスポーツなど筋力をつける活動もどうしても控えめになるため、よけいに関節に負担がかかります。腕が腱鞘炎になると、肩まで痛みやだるさを感じたり、物がつかめなくなることもあります。一日に何度も行うおむつ替えによって、脚や足首などに負担がかかると、足も腱鞘炎になることがあるそうです。

このように、産後、赤ちゃんのお世話を繰り返す生活は、関節に大きな負担がかかるため、関節痛を引き起こしてしまいます。

◉カルシウム不足

産後、母乳育児を行っているママの栄養は、母乳を通じてどんどん赤ちゃんへ届けられます。そのため、授乳中には、必要な栄養が不足してしまうことがあります。特に、授乳中はカルシウムが不足しやすく、関節にある軟骨が固くなってしまい、クッション性が失われていきます。

◉筋力の不足

妊娠中は、運動不足になりがちです。当然、産後のママの体は、関節周りの筋力が低下し、関節に負担がかかります。筋力のない足に大きな負荷を与えると、関節に負担がかかります。特に、下半身の筋力の低下によって、膝が痛くなることがあります。その上、膝が痛いからと言って、膝をかばいながら歩くと、足全体や足首に負荷がかかって、関節痛の発生場所が増えてしまいます。

◉ホルモンの影響

妊娠中は、副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)が多く分泌されており、痛みや炎症が抑えられているため、妊娠中は関節の痛みが緩和されていたことが考えられます。しかし産後は、ステロイドホルモンの分泌が減ってしまうため、関節の炎症や痛みを、より強く感じるようになってしまうと考えられます。

◉骨盤の歪み

妊娠・分娩によって骨盤が緩んでいるため、骨盤を正しい位置に戻してあげないと、骨盤が歪んで行く原因となります。骨盤の歪みやズレは、腰痛だけでなく、膝や足首の痛みまで引き起こします。

産後の部位別による関節痛のしくみ

・股関節痛
股関節痛の症状は、歩いているとだんだん痛くなる、立ったり座ったりすると痛い、時々激痛が起こる、寝がえりを打つと痛む、恥骨や腰も痛むなどさまざまです。股関節が痛む原因は、出産に備えてリラキシンと呼ばれるホルモンが分泌され、骨盤の周辺の筋肉を緩める働きがあります。骨盤が緩みすぎると歪みやすくなり、左右のバランスが崩れると股関節痛が起こります。

・ひざ関節痛

妊娠中は体重が増えるため、ひざや足首を動かす筋肉の負担が増え、筋力が低下して痛みが起こります。また、妊娠後期になると、お腹が大きくなってガニ股で歩くようになるなど、普段しなかった動きをすることによってひざ関節痛が起こります。産後は、子どもの抱っこや、おむつ交換などによってひざの曲げ伸ばしをする機会が増え、ひざ関節に負担がかかってしまいます。

まれに、出産を機に、免疫反応の異常が原因で関節に炎症を起こす膠原病の一種「全身性エリテマトーデス」を発病する場合もあります。症状が悪化したり、だるい、微熱があるなど他の症状がある場合は、病院で診察を受けましょう。

産後の関節痛の対処法は?

関節の痛みを抱えながら、産後の育児生活を続けていくのは大変です。けれど、産後の関節痛は日々の生活に気を付けることで、改善されていくことが多いようです。産後しばらくして、自然と筋力が戻ってくれば、関節への負担も軽くなってくるはずです。産後の関節痛は「一時的な症状」であることもあります。

それでも、あまり我慢して頑張り過ぎず、早めに病院を受診して、治療を行うことをおすすめします。軽度の関節痛であれば、消炎鎮痛薬などを使用することで、短期間で治ることもあります。

・骨盤矯正

妊娠中、骨盤を緩めるホルモンのリラキシンが分泌されると、骨盤が歪みやすくなり、股関節痛を引き起こしやすくなります。整体やカイロプラクティックでは、歪んだ骨盤を矯正して体のバランスを整える効果が期待できます。ただし、施術を受ける前に、妊婦であることを伝え、適した施術が可能かどうか確かめましょう。

・産後1か月は安静に

産後すぐは、骨盤が大きく開いています。骨盤は1か月ほどかけて元の状態に戻りますが、無理をして動いたり、間違った座り方をしたりすると、骨盤が歪んだ状態で固定されます。産後はできるだけ安静に過ごし、座るときは横座りをしないで、正座かあぐらをかきましょう。

授乳するときは、クッションなどを使って前かがみにならないように注意します。できるだけ早い時期から、骨盤ベルトを使って骨盤を安定させるとよいでしょう。

・自己管理を徹底

赤ちゃんが成長し体重が増えることは、とても喜ばしいことです。その成長についていけるように、ママも健康管理をする必要があります。まずは、体重オーバーであればゆっくりダイエットをして、妊娠前の体重に戻しましょう。またスイミングなど時間をみつけてスポーツをする習慣をつければ、筋力アップにもなり、ストレス発散にもあり一石三鳥ですよ。

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まとめ

妊娠中の体は、どんどん変化し、お腹の重さによって姿勢が悪くなったり、骨盤が緩んで開くことでひざ関節痛や股関節痛が起こりやすくなったりします。産後も、緩んだ骨盤が歪んだり、赤ちゃんを抱っこするなど慣れない動きを一日に何度も繰り返すことによって関節痛が起こったりします。

骨盤ベルトを巻くなどの骨盤ケアをすることで、関節痛だけでなく、腰やお尻の骨盤痛も改善できます。さらには、産後ダイエットにも繋がります。関節の痛みを感じたら、産婦人科をはじめとする医療機関や推奨されている場所で早めに受診して治療を行いましょう。

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